悲哀のなかに幸せを2010-01-20

余命いくばくもないことを知る長老はアリョーシャにさらに言葉を遺す。

≪Горе узришь великое и в горе сем счастлив будешь. Вот тебе завет: в горе счастья ищи. Работай, неустанно аботай.≫

<試訳> お前は大きな哀しみを目にするだろうが、この哀しみの中で幸せになるだろう。これが遺言だよ--哀しみの中で幸せを探し求めるんだ。働くんだ、倦むことなく働くんだ。

悲劇や不条理に満ちた人間社会に生きていかざるを得ない者にとって、それでもなおその中に幸せを求めよ、そのために働けとの言葉は酷でもあり優しくもあるように思います。この直前に”キリストがついている・・・”との言葉もありますが、宗教のない私にとっては自分自身の中に強い支柱を持たなくてはと思い知らされます。