感極まるドミートリィ2010-02-13

シラーの詩を朗誦した後、ドミートリィは感極まって涙を流す

≪Рыданя вырвались вдруг из груди Мити. Он схватил Алёшу за руку. -Друг, друг, в унижении и теперь. Страшно много человеку на земле терпеть, страшно много ему бед! ≫

<試訳> 突然ミーチャの胸の内からの感涙がほとばしり出た。彼はアリョーシャの手を取った。ああ、アリョーシャ、今もって屈辱、屈辱の中なんだ。この世で人間は恐ろしいほど多くのことを耐え忍ぶんだ、恐ろしいほど多くの苦難があるんだ。

ドミートリィの多感で激しやすい性格が表現されます。放蕩な生活をしながらも自責の念に苦しんでいます。財産やグルーシェンカをめぐる父親との争い、カテリーナ、イワンとの葛藤など「多くの苦難」に取り巻かれていますが、直情、直行の彼の姿に愛すべきものを感じてしまいます。