山を動かせ2010-04-25

信仰について独自の考えを述べ続けるスメルジャコフ

≪рассудите сами Григорий Васильевич: ведь сказано же в писании, что коли имеете веру хотя бы на самое малое даже зерно и при том скажете сей горе, чтобы съехала в море, то и съедет ни мало не медля по первому же вашему приказанию.≫

<試訳>ご自分でよくお考えなさいグリゴーリィ・ワシーリェビッチ。聖書にだって書いてあるじゃありませんか、もし穀粒ほど僅かであれ信仰をお持ちでしたら、この山に向かって海へ入れと言ってごらんなさい、するとあなたの命令一下、少しの間も置かずに海に入るでしょうよ。

それまで「ロバのように」無口だったスメルジャコフが、信仰について演説を始めます。信心深いグリゴーリィをあざ笑い勝ち誇るように自説を展開するのです。イワンとアリョーシャに聞かせながら、フョードルは愉快そうに論争をけしかけます。食卓で宗教について、こうして真剣に意見を闘わせるというのは、生き方と密接につながる重大事だからなのでしょう。