ロシア的信仰2010-04-26

信仰についての議論が続く

≪- Вы совершенно верно заметили, что это народная в вере черта, - с одобрительною улыбкой согласился Иван фёдорович.
- Соглашаешься! Значит, так, коли уж ты соглашаешься! Алёшка, ведь правда? Ведь совершенно русская вера такая?
- Нет, у Смердякова совсем не русская вера, - серьёзно и твёрдо проговорил Алёша. ≫

<試訳>「信仰の民族的な特徴だとあなたが言われたのは全くもっともです」- イワンが認めるような笑みを浮かべて賛成した。「賛成してくれるか! お前が賛成するからには、つまり、そういうことだ! アリョーシカ、確かに本当だろう。全くもってロシア的な信仰というのはそんな風じゃないか」 「いいえ、スメルジャコフのは全然ロシア的な信仰ではありません」-真剣に、毅然とアリョーシャは言った。

山に命じて海に入らせることのできる人がいない以上、この地上には不信心者ばかり、慈悲深い神がその全員を救わないことがあるか・・・スメルジャコフの弁論を巡って議論が続きます。作者は流刑地オムスク監獄での4年間、唯一の書物として聖書を読み耽ったそうですが、信仰はこの作品でも重要なテーマとなっています。日本の文学でそれに比する重要なテーマは何か、精神風土の違いをまた感じます。