声のない涙の発作2010-05-10

アリョーシャは亡き母と同じような発作に震える

≪Алёша вдруг вскочтил из-за стола, точь-в-точь как по рассказу мать его, всплеснул руками, потом закрыл ими лицо, упал как подкошенный на стул и так и затрясся вдруг весь от истерического припадка внезапных, сотрясающих и неслышных слёз. ≫

<試訳>アリョーシャは突然食卓から立ち上がり、母の話そっくりそのままに、両手を打ち合わせ、その両手で顔を覆い、椅子になぎ倒されたように倒れ込むと、興奮しきった声のない涙の不意のヒステリックな発作で急に全身をしきりに震わせ始めた。

父から聞いた母の様子が、アリョーシャの身に同じように起きます。彼の言い表し難い感情の激しい表出です。発作はスメルジャコフだけかと思っていましたが、彼もまた・・・。登場者の多くが多かれ少なかれ病み、崩れていくこの物語になぜ惹きつける力があるのでしょう。