生きるに値するか否かを決める権利はあるか2010-05-25

アリョーシャはイワンにさらに問う

≪- Брат, позволь ещё спросить: неужели имеет право всякий человек решать смотря на остальных людей: кто из них достоин жить и кто более не достоин? ≫

<試訳>「兄さん、もう一つ聞きたいんです。他の人達について、その人達のうちの誰が生きるに値し、誰がむしろ生きるに値しないなどと決める権利が、果たしてどんな人にでもあるものでしょうか」

信仰心に富んだアリョーシャですから、強い否定の気持ちを含んだ問だと思います。神の不在を説くイワンに敢えて尋ね、気持ちを整理したいのでしょうか。激しい争いを目撃した衝撃が彼の信仰に揺らぎを起こしたのかも知れません。読者にもこの問いは向けられていますが、イワンがどのように説明するかを知りたくて考えるどころではありません。

今回で100回目となりました。このブログを励みにロシア文学の高峰「カラマーゾフの兄弟」の頂上に向かって一歩一歩登り続けています。見ていただいている方々に感謝します。これからもどうぞ訪れて下さい。