彼女の教示を期待し2010-05-31

アリョーシャがカテリーナのもとに向かう

≪Странное дело: давеча он направлялся к Катерине Ивановне в чрезвычайном смущении, теперь же не чувствовал никакого; напротив, спешил к ней, сам словно ожидая найти ней указания.≫

<試訳>奇妙なことに、先程アリョーシャはカテリーナ・イワーノブナの所に向かうことを非常にためらっていたのだが、今は少しもそんな気はせず、逆に、まるで彼女ところで教示を得ようと期待でもするかのように彼女の家に急いだ。

傷心のアリョーシャは、招きの手紙をもらっているカテリーナの家に向かいます。ドミートリィからの伝言もあります。彼女と会うことに気が進まなかった彼が、父と兄の相克に打ちのめされて、彼女の所で何か解決の糸口が見つかるのではと急ぐのです。
アリョーシャはよく歩き回りますが、作者の他の小説の主人公も街の中を歩く場面が多いと感じます。「罪と罰」のラスコーリニコフも、食事もせず熱に浮かされながら歩き回りながら考えます。読んでいると知らずのうちに彼らと一緒に通りをさまよっている気分になります。