僕を咎めんでくれ2010-07-09

ドミートリィはグルーシェンカの所へ行こうとする

≪Так она домой побежала? Сейчас я ... ах... Побегу-ка к ней! Алёшка, не вини меня, я ведь согласен, что её придушить мало...
- А Катерина Ивановна! - печально воскликнул Алё ша.≫

<試訳>「じゃあ、あの女は家に走り去ったんだな。今すぐ、僕は・・・あぁ・・・あの女の所へ駆け付けることにするぞ! アリョーシカ、僕を咎めんでくれ、だって僕はあの女を絞め殺しても足りないってことに賛成なんだから。]
「それでカテリーナ・イワーノブナさんはどうなるんです!」と悲しげにアリョーシャは叫んだ。

この段落の前でドミートリィはグルーシェンカを「この世で想像できる限りの魔性の女の中の女王」とまで大げさに表現しています。それでもなお彼女のもとに走ろうとする彼に、アリョーシャがカテリーナへの気遣いを表します。自分の感情のままに行動する本人はその結果どうなろうといいのでしょうが、それによって周囲を巻き込み、悲しませ、不幸にする彼を押し留めたくなります。そう思わせるようなリアルな人物像を作り上げたところが凄いです。