お前は自分の道を行け2010-07-12

ドミートリィがアリョーシャに別れを告げる

≪- Да, я подлец! Несомненный подлец, - произнёс он вдруг мрачным голосом.
- Всё равно, плакал или нет, всё равна подлец! Передаё там, что принимаю наименование, если это может утешить. Ну и давольно, прощай, что болтать-то! Весёлого нет! Ты своею дорогой, а я своею. Да и видеться больше не хочу, до какой-нибудь самой последней минуты. Прощай, Алексей! ≫

<試訳>「そうさ、僕は卑劣な男だ! 疑いもなく卑劣な男だよ」 彼は唐突に暗い声で言った。「同じことだ、泣いたにせよ泣かなかったにせよ、どっちにしても卑劣漢なんだ!あいつの家で伝えてくれ、それで慰めになるんなら卑劣漢って呼び名を甘んじて受けるってな。でも、もう無駄話なんかもういいんだ、別れよう。楽しいことなんかないのさ!お前は自分の道を行け、僕は僕の道を行くよ。もう会いたくはない、これはという最後の時まではな。さよなら、アレクセイ!」

「泣いた」と言うのは、彼がかってカテリーナの面影に涙を流し、その時は、グルーシェンカも理解して共に泣いたことを指しています。でも彼は今や、卑劣漢であることを自認し、アリョーシャに別れを告げて去ります。自分で自分を滅ぼしてしまうような道をどうしようもなく辿ってしまう彼の姿に哀しさを覚えます。かってゾシマ長老が僧庵でドミートリィの足元に跪拝して額を地につけ、驚く周囲の人々に向かって「赦してあげなさい。全てを赦すことです!」と言ったことが蘇ります。