衰弱して昏睡なさっておられる2010-07-16

ゾシマ長老の容態は重く、死期が迫っている

≪- Ослабел, сонливость напала, - шёпотом сообщил Алёше отец Паисий, блогословив его. - Разбудить даже трудно. Но и не надо будить. Минут на пять просыпался, просил снести братии его благословение, а у братии просил о нём ночных молитв.≫

<試訳>「衰弱して昏睡されておられる」と、パイーシイ神父がアリョーシャを祝福してから声をひそめて知らせた。「お目覚めさせるのも難しいのだよ。だが、お起こしすることもない。5分間ほどお目覚めになられて、修道士達にご自分の祝福を伝えるようにお頼みになられ、ご自分のために夜の祈祷をお願いされておったからな」

アリョーシャが僧庵に入ると、敬愛するゾシマ長老は死の床に就いています。神父が長老の重篤な容態を説明しますが、アリョーシャも覚悟していたかのように静かに受け入れているようです。先刻の混乱、喧噪の俗世界とこの静寂、聖なる場所の対比を感じます。激しい葛藤から離れて、アリョーシャならずとも少し安らぎを感じてしまいます。