許嫁を必死で奪うのさ2010-08-09

イワンについて語り始めるフョードル

≪- Ну что там у тебя? Что твой старец?
- Ему очень худо, он может быть сегодня умрёт, - ответил Алёша, но отец даже и не расслышал, да и вопрос свой тотчас забыл.
- Иван ушёл, - сказал он вдруг. - Он у Митьки изо всех сил невесту его отбавает, для того здесь и живёт, - прибавил он злобно и, скривив рот, посмотрел Алёшу.

<試訳>「あっちのお前の方はどうだ。長老はどうかね」
「あの方の具合ははとても悪いんです。今日中に亡くなられるかも知れないのです」、とアリョーシャは答えたが、父は聞いてさえいなかったし、自分の問いかけたこともすぐに忘れたのだった。
「イワンは出かけたぞ」、ふいに彼が言った。「あいつはミーチャの許嫁を必死で奪うのさ、それでもってここに住んでやがる」、憎々しげに言って口を歪めアリョーシャを見やった。

アリョーシャの話も聞かずにフョードルはイワンの話を始めます。彼は自分を嫌っているイワンがどうしてこの家にやってきたかという疑問を以前から抱いているのです。ここでは、ドミートリィの婚約者であるカテリーナを横取りするためだろうと推測しています。アリョーシャを相手にこの疑念をぶつけようと呼んだのかも知れません。「イワンに知られないようにそっと入って来い」と念を押していたことと結びつきます。我が息子達に怖れや疑いを抱く不幸な父親像です。

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