あの方からだけのものです2010-11-29

 ≪- Я имею право вам открыть про её оскорбление, я даже должен так сделать, потому что она, узнав про вашу обиду, и узнав всё про ваше несчастное положение, поручила мне сейчас... давеча...снести вам это вспоможение от неё... но только от неё одной, не от Дмитрия, который и её бросил, отнюдь нет, и не от меня, от брата его, и не от кого-нибудь, а от неё, только от неё одной!≫

・ 「あの方の受けた侮辱をあなたに打ち明ける権利が僕にはありますし、そうしなければならないんです。実は、あの方はあなたの屈辱と不運な様子をすっかり知って、今し方・・・先程・・・僕に委ねたんです、あの方からのこの援助金をあなたにお持ちするようにと・・・あの方ただ一人からだけです、あの方を捨てさえしたドミートリィからではありません、決してそうじゃないんです。弟である僕からでももちろんありませんし、他の誰からでもないんです。あの方から、あの方ただ一人からのものなんです!」

・ カテリーナから託された援助金を渡そうとするアリョーシャが、相手を気遣って懸命に説明します。決闘を回避する代償や和解金ではない事を納得させようと、兄に捨てられたカテリーナからであると繰り返すのです。屈辱に痛んだ誇りの高い父と息子の話を聞いたばかりですから無理もありません。この作品にはお金に関連する場面が少なからずあり、登場人物の運命を左右します。作者自身も身に覚えがありそうです。