事実のもとに留まりたい2011-04-12

≪- Что ты знаешь?
- Я ничего не понимаю, - продолжал Иван как бы в бреду, - я и не хочу теперь ничего понимать. Я хочу остоваться при факте. Я давно решил не понимать. Если я захочу что-нибудь понимать, то тотчас же изменю факту, а я решил оставаться при факте...≫

<試訳> 「兄さんは何を知ってるんですか」
「僕は何一つ分っちゃいないんだ」とイワンはうわ言のように続けた。「それに今は何も理解したくはない。事実のもとに留まりたいんだ。かなり前から理解しないことに決めたよ。もし僕が何かを理解しよう思うと、とたんに事実に背く事になるからな、それで事実のもとに留まろうと決心したんだ・・・」

・ 事実に基づいて客観的な視点を保とうとするイワンの謙虚な態度が意外です。むしろ演繹的に論理を組み立てる傾向があるのかと思っていました。“ 理解せずに事実のもとに留まる ” ・・・自省させられます。また、僅かな情報から専門外の事を得意気に語ったり、感情的な批判に終始する現代の評論家風の面々に届けたいメッセージでもあります。