罪と罰・試訳　一線を越えた人間の苦悩と愛が、時空を越えて今日もここに響く…

　≪- Но...это нелепость! - вскричал он краснея. - поэма твоя есть хвала Иисусу, а не хула... как ты хотел того. И кто тебе поверит о свободе? Так ли, так ли надо её понимать? То ли понятие в православии... Это Рим, да и Рим не весь, это неправда, - это худшие из католичества, инквизиторы, иезуиты!... Да и совсем не может быть такого фантастического лица, как твой инквизитро.≫

＜試訳＞　「でも…それはおかしな話です！」アリョーシャは顔を真赤にさせて叫んだ。「兄さんの詩はイエスの賛美で、兄さんが望んでいた･･･非難じゃないです。それに自由について兄さんの言うように誰が信じるでしょう。自由をそのように、そんなふうに理解しなければならないんですか。それがロシア正教の認識でしょうか･･･。そんなのはローマです、そう、ローマの全てじゃない、そう言っては間違いなんだ、つまり、それはカトリックの中の最悪のもので、異端審問官やイエズス会の人達なんです！･･･それに、兄さんの詩の異端審問官のような幻想の人物なんて全くありえませんよ」

・　イワンの詩が承認できないと強く主張するアリョーシャの反論です。ローマカトリックとロシア正教の違いが分らないので、「そんなのはローマです」に続く部分の意味が残念ながら理解できません。それにしても、若い兄弟がこのような問題を真剣に議論し続ける事、そしてそれが文学として現代に生命力を持っている事が驚きです。