剽窃だぞ!2011-07-10

≪Алёша встал, подошёл к нему, и молча, тихо поцеловал его в губы.
- Литературное воровство! - вскричал Иван, переходя вдруг в какой-то восторг, - это ты украл из моей поэмы! Спасибо однако. Вставай, Алёша, идём, пора и мне и тебе.≫

<試訳> アリョーシャは立ち上がりイワンに近づくと、黙ったままそっと彼の唇に口づけをした。
「剽窃だぞ!」突然何か狂喜し出したようにイワンが叫んだ。「今の口づけは、僕の詩劇から盗み出したな、お前は!だが、ありがとう。さあ立てよアリョーシャ、僕にもお前にも時間がきた、行こうじゃないか」

・ キリストが大審問官に無言で口づけする印象的な場面がアリョーシャとイワンの間で再現されます。イワンは剽窃と言いますが、神を畏れず“全ては許される”とまで不遜にも言い切る彼の思想的苦悩に、もはや言葉もないアリョーシャの万感の想いを込めた気持の表現ではないでしょうか。アリョーシャが意図したものではなく咄嗟の衝動に思われます。イワンが素直に感謝するところに救われます。

コメント

_ 慎之介 ― 2011-07-11 20:09

剽窃だぞ、古典だからこんな言葉になるのでしょうか。

_ mir→慎之介さん ― 2011-07-12 10:55

文学の世界では今日でもポピュラーな言葉のようです。“盗作”でもいいのですが、作品全体を借用したという印象になってしまいます。ここでは、アリョーシャがイワンに口づけした事が、キリストが大審問官に口づけした事を真似たという一瞬の行為についてなので“剽窃”としました。

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