ほとんど分別を失っておられます2011-08-10

 ≪- Ужаснек моё полжение-с, Иван Фёдрович, не знаю даже, как и помочь себе, - проговорил он вдруг твёрдно и раздельно и с последним словом вздохнул. Иван Фёдрович тотчас же опять уселся.
- Оба совсем блажные-с, оба дошли до самого малого ребячества-с, - продолжал Смержаков.
- Я про вашего родителя и про вашего братца-с Дмитрмя Фёдоровича.≫

<試訳> 「恐ろしいもんですよ私の立場は、イワン様、どうやって我が身を助けたらいいのやら分らない程でして」急にスメルジャコフはしっかりと区切りながら話をし、言葉の終わりにはため息をついた。同時にイワンは再び腰を下ろした。
「お二人ともほとんど分別を失っておられますし、どちらもまるで子供になられたようでして」とスメルジャコフは続けた。「あなた様のお父上と、兄上のドミートリィ様について申しているのでございます」

・ スメルジャコフがフョードルとドミートリィについていかにも意味ありげに語りだします。イワンが彼等二人の諍いの場面に居合わせて兄の暴力を止めたのはつい昨日のことです。両者の険悪な関係を知っているだけに、父に会おうとしている今、聞き流すわけにはいかないでしょう。