無我夢中の老人2011-09-16

 ≪Чрез полчаса дом был заперт, и помешанный старикашка похаживал один по комнатам, в трепетном ожидании, что вот-вот раздадутся пять условных стуков, изредка заглядывая в тёмные окна и ничего в них не видя кроме ночи.≫

<試訳> 半時間後に屋敷は閉じられ、無我夢中の老人は独りで、今か今かと約束の5回のノックが響くのを期待に胸をわくわくさせながら部屋から部屋を行きつ戻りつしていた。時々、暗い窓から外を覗くのだが、夜の闇の他は何も見えなかった。

・ グルーシェンカが来るという妄想に捉われているフョードルの姿です。イワンが入ってきて二階に上がり、スメルジャコフがサモワールを運んできて退室し、一人残った彼が歩き回るというように、時間の経過、位置関係、動きなどの表現がリアルなので、知らぬ間に自分も語り手と一緒にその場にいるような気分になります。