秋 ― 2011-10-13
≪Осень, осень, моя любимая осень!
Как-то блестящий и грустный роковой сезон.≫
秋よ、秋、我が愛する秋！
何かしら華やかに、そして愁い満つ運命の季節よ
Как-то блестящий и грустный роковой сезон.≫
秋よ、秋、我が愛する秋！
何かしら華やかに、そして愁い満つ運命の季節よ
新たな世界へ ― 2011-10-14
≪В семь часов вечера Иван Фёдрович вошёл в вагон и полетел в Москву. "Прочь всё прежнее, кончено с прежним миром навеки, чтобы не было из него ни вести, ни отзыва; в новый мир, в новые места, и без оглядки!" ≫
＜試訳＞ 晩の７時にイワンは列車に乗りモスクワに向かった。“過ぎた事は全て消え去る、何の消息もやり取りせぬよう、これまでの世界とは永遠に決別だ。新たな世界へ、新たな場所へまっしぐらに！”
・ イワンは駅で馬車を降り、父に頼まれたチェルマーシニャ行きをやめて、過去を振り切り逃れるようにモスクワに向かいます。自分を励ますような決意とは裏腹に寂しさを感じます。
＜試訳＞ 晩の７時にイワンは列車に乗りモスクワに向かった。“過ぎた事は全て消え去る、何の消息もやり取りせぬよう、これまでの世界とは永遠に決別だ。新たな世界へ、新たな場所へまっしぐらに！”
・ イワンは駅で馬車を降り、父に頼まれたチェルマーシニャ行きをやめて、過去を振り切り逃れるようにモスクワに向かいます。自分を励ますような決意とは裏腹に寂しさを感じます。
深い悲しみが心を痛めた ― 2011-10-15
≪Но вместо восторога на душу его сошёл вдруг такой мрак, а в сердце заныла такая скорбь, какой никогда он не ощущал прежде во всю жизнь. Он продумал всю ночь; вагон летел, и только нарассвете, уже въезжая в Москву, он вдруг как бы очнулся: - Я подлец! - прощеатал он про себя.≫
＜試訳＞ しかし、突然イワンの胸は高揚の代わりに闇に閉ざされ、これまでの人生で感じた事のない深い悲しみが心を痛めた。彼は一晩中考えぬいた。列車が走り続け、ようやく夜明け近くモスクワに乗り入れる頃になって、ふと彼は我に返った。「僕は卑劣な男だ！」彼は密かにつぶやいた。
・ “新たな世界へ、新たな場所へ”と意気込んだのも束の間、イワンの心は沈みます。傷つき苦悩に満ちた彼を乗せた列車がモスクワに到着します。
＜試訳＞ しかし、突然イワンの胸は高揚の代わりに闇に閉ざされ、これまでの人生で感じた事のない深い悲しみが心を痛めた。彼は一晩中考えぬいた。列車が走り続け、ようやく夜明け近くモスクワに乗り入れる頃になって、ふと彼は我に返った。「僕は卑劣な男だ！」彼は密かにつぶやいた。
・ “新たな世界へ、新たな場所へ”と意気込んだのも束の間、イワンの心は沈みます。傷つき苦悩に満ちた彼を乗せた列車がモスクワに到着します。
極めて不愉快な事態 ― 2011-10-16
≪А Фёдор Павлович, проводив сынка, остался очень доволен. Целые два часа чувствовал он себя почти счастливым и попивал коньячок; но вдруг в доме произошло одно предосадное и пренеприятное для всех обстоятельство, мигом повергшее Фёдора Павловича в большое смятение: Смердяков пошёл зачем-то в погреб и упал вниз с верхней ступеньки. ≫
＜試訳＞ 一方、フョードルは息子を見送ってすこぶる満足だった。まる２時間は大いに幸せな気分でコニャックを舐めていたのだが、突然屋敷の中で、誰にとっても極めて忌々しく不愉快なある事態が生じ、一瞬のうちにフョードルを極度の動揺に陥れた。スメルジャコフが何かの用で穴倉に行き、上の段からころがり落ちたのだった。
・ フョードルのくつろぎも束の間、スメルジャコフがイワンに予告していた事が起こり、屋敷の中がにわかに騒然とします。スメルジャコフのこの穴倉への謎めいた転落がどのような意味を持つのか気掛かりです。
＜試訳＞ 一方、フョードルは息子を見送ってすこぶる満足だった。まる２時間は大いに幸せな気分でコニャックを舐めていたのだが、突然屋敷の中で、誰にとっても極めて忌々しく不愉快なある事態が生じ、一瞬のうちにフョードルを極度の動揺に陥れた。スメルジャコフが何かの用で穴倉に行き、上の段からころがり落ちたのだった。
・ フョードルのくつろぎも束の間、スメルジャコフがイワンに予告していた事が起こり、屋敷の中がにわかに騒然とします。スメルジャコフのこの穴倉への謎めいた転落がどのような意味を持つのか気掛かりです。
叫び声を聞いた ― 2011-10-17
≪Хорошо ещё, что на дворе случилась в то время Марфа Игнатьева и вовремя услышала. Падения она не видела, но зато услышала крик, крик особенный, странный, но ей уже давно известный, - крик эпилептика падающего в приапдке.≫
＜試訳＞ まだしも幸いだった事に、ちょうどその時マールファが庭にいて聞きつけたのだった。転げ落ちちるのは見なかったが叫び声を聞いたのだ。かつて聞き覚えのある独特で奇妙な叫び声、つまり発作で倒れる癲癇患者の叫び声だった。
・スメルジャコフは発作で痙攣し意識を失います。この後、近所の人達にも手伝ってもらい穴倉から引き揚げられます。何かと彼に命じては頼りにもしていたフョードルは大きな衝撃を受けます。
＜試訳＞ まだしも幸いだった事に、ちょうどその時マールファが庭にいて聞きつけたのだった。転げ落ちちるのは見なかったが叫び声を聞いたのだ。かつて聞き覚えのある独特で奇妙な叫び声、つまり発作で倒れる癲癇患者の叫び声だった。
・スメルジャコフは発作で痙攣し意識を失います。この後、近所の人達にも手伝ってもらい穴倉から引き揚げられます。何かと彼に命じては頼りにもしていたフョードルは大きな衝撃を受けます。
若い川 ― 2011-10-18
Молодая река усыпана камнями
Счастливое мгновение блестит
И течёт весело
岩の多い若い川
幸せな一瞬がきらめき
はしゃいで流れてゆく
Счастливое мгновение блестит
И течёт весело
岩の多い若い川
幸せな一瞬がきらめき
はしゃいで流れてゆく
不安な期待 ― 2011-10-19
≪Фёдор Павлович окончил свой чай как можно пораньше и заперся один в доме. Был он в страшном и тревожном ожидании. Дело в том, что как раз в этот вечер ждал он прибытия Грушеньки уже почти наверно; по крайней мере получил он от Смержякова, ещё рано поутру, почти заверение, что "оне уж несомнение обещали прибыть-с".≫
＜試訳＞ フョードルはできるだけ早く茶を済ませると、施錠して屋敷に一人閉じこもった。彼は恐ろしくそして不安な期待があった。と言うのは、まさにこの夜グルーシェンカがやって来るのを固く信じて待っていたのだ。彼は朝早くにスメルジャコフから“あの方は必ずおいでになると約束なさりましたんで”とほとんど保証されてiいたのだから。
・ グルーシェンカが来るという期待と共に、ドミートリィが見張っているのではという恐れもありフョードルは緊張します。よりによって頼りのスメルジャコフは意識を失っているのです。運命の夜となる状況です。
＜試訳＞ フョードルはできるだけ早く茶を済ませると、施錠して屋敷に一人閉じこもった。彼は恐ろしくそして不安な期待があった。と言うのは、まさにこの夜グルーシェンカがやって来るのを固く信じて待っていたのだ。彼は朝早くにスメルジャコフから“あの方は必ずおいでになると約束なさりましたんで”とほとんど保証されてiいたのだから。
・ グルーシェンカが来るという期待と共に、ドミートリィが見張っているのではという恐れもありフョードルは緊張します。よりによって頼りのスメルジャコフは意識を失っているのです。運命の夜となる状況です。
緑に朱 ― 2011-10-20
По сезоном природа дивная!
折々に 妙なる自然！
折々に 妙なる自然！
瀕死の病人に代わって ― 2011-10-21
≪Когда Алёша с тревогой и с болью в сердце вошёл в келью старца, то остановился почти в мзумлении: вместо отходящего больного, может быть уже без памяти, каким боялся найти его, он вдруг его увидал сидящим в кресле, хотя с изможжённым от слабости, но с бодрым и вевёлым лицом, окруженного гостями и ведущего с ними тихую и светлую беседу.≫
＜試訳＞ アリョーシャは不安と痛手を胸に長老の庵室に入るなり、驚きをもって立ち止まった。もしかするともう意識がないかも知れないと心配していた瀕死の病人に代わって、彼が突然見たのは、衰えやつれてはいたが気力のある明るい顔で客人達に囲まれて静かに会話している長老だった。
・ アリョーシャはイワンと別れてやっと庵室に着き、意外にも元気そうなゾシマ長老を見て驚きます。僧院を出てから次々に衝撃的な場面に出会い彼の精神は疲れ切っているでしょう。長老の穏やかさが彼を癒してくれるように願ってしまいます。
＜試訳＞ アリョーシャは不安と痛手を胸に長老の庵室に入るなり、驚きをもって立ち止まった。もしかするともう意識がないかも知れないと心配していた瀕死の病人に代わって、彼が突然見たのは、衰えやつれてはいたが気力のある明るい顔で客人達に囲まれて静かに会話している長老だった。
・ アリョーシャはイワンと別れてやっと庵室に着き、意外にも元気そうなゾシマ長老を見て驚きます。僧院を出てから次々に衝撃的な場面に出会い彼の精神は疲れ切っているでしょう。長老の穏やかさが彼を癒してくれるように願ってしまいます。
必ずもう一度 ― 2011-10-22
≪Впрочем, встал он с постели не более как за четверть часа до прихода Алёши; гости уже собрались в его келью раньше и ждали, пока он проснется, по твёрдому заверению отца Паисия, что "учитель встанет несомненно , чтоб ещё раз побеседовать с милыми сердцу его, как сам изрек и как сам пообещал ещё утром"≫
＜試訳＞ とは言え、長老はアリョーシャが着くほんの１５分足らず前にベッドから起き上がったのだ。客人達はすでに早くから僧庵に集まり、“師はご自身で朝方表明され、約束されましたように必ずもう一度親しい方々とお話しするためにお起きになられます”とのパイーシィ神父の言葉を固く信じて、彼が目覚めるのを待っていたのだった。
・ 臨終の長老の元に集まった人々が、狭く暗い僧庵で息を潜めている様子がレンブラントの絵画のように想像されます。
＜試訳＞ とは言え、長老はアリョーシャが着くほんの１５分足らず前にベッドから起き上がったのだ。客人達はすでに早くから僧庵に集まり、“師はご自身で朝方表明され、約束されましたように必ずもう一度親しい方々とお話しするためにお起きになられます”とのパイーシィ神父の言葉を固く信じて、彼が目覚めるのを待っていたのだった。
・ 臨終の長老の元に集まった人々が、狭く暗い僧庵で息を潜めている様子がレンブラントの絵画のように想像されます。
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