青春のあらゆる欲求に任せ2012-01-09

 ≪Пьятством, дебоширством и ухарством чуть не гордились. Не скажу, чтобы были скверные; все эти молодые люди были хорошие, да вели-то себя скверно, а пуще всех я. Главное то, что у меня объявился свой капитал, а потому и пустился я жить в своё удовольствие, со всем юным стремлением, без удержу, поплыл на свех парусах.≫

<試訳> 深酒、大暴れ、向う見ずな行動はむしろ誇らしかったのです。この青年たちは皆善良でしたから下劣な輩だったなどと思ってはいませんが、確かに素行は悪かったのです。中でも私などは一番ひどいものでした。それは何よりも自分の財産ができたからで、青春のあらゆる欲求に任せて抑えることなく享楽的な生き方にのめり込んで、突っ走り始めたのです。

・ 彼は貴族の家に生まれていますから、相続した遺産を使える年齢に達したのでしょう。独り身の青年将校が若さに任せて放蕩に走る姿はリアルです。ドミートリィの姿がふと重なります。謹厳実直とは程遠いこのような過去を背負った長老が一層深みのある人間に感じられます。

コメント

_ 慎之介 ― 2012-01-09 18:17

過去を背負った人が必ずしも深みのある人にはなれません。様々な事情で其処に達する前に命を失ったり、とことん其処に行き着けなかったり。
長老の場合、やはりきっかけがあったのですね。せっかちなものですからきっかけを知りたくてなりません。

_ mir→慎之介さん ― 2012-01-10 10:54

確かにフョードルのように放蕩気質がいつまでも抜けきらない人物もいますね。逆に放蕩の時代を経て聖職者に至るという筋書きは他にもあります。牧師が実は多くの敵を倒した荒くれ者だったという西部劇を見た記憶があります。過去の罪を悔いて・・・というパターンです。でも長老の場合は違って、幼い頃からの信仰心は変わらずに心の底に保ち続けていたと思うのです。軍隊生活で表面的には影響を受けていますが、根幹ではあの教会の神々しさに魅かれた感性が貫いている気がします。

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