キリストがもし現代に生きていたなら2016-04-02

 ≪Это была вполне гуманная личность, и живи он в наше время, он бы прямо примкнул к революционерам и может быть играл бы видную роль... Это даже непременно.
- Ну где, ну где вы этого нахватались! С каким это дураком вы связались? - воскликнул Алёша.
- Помилуйте, правды не скроешь. Я конечно, по одному случаю, часто говорю с говподином Раскитиным, но... Это ещё старик Белинский тоже, говорят, говорил.≫

<試訳> 「キリストは完璧に人道的な人物でしたし、もし現代に生きていたなら彼は直ちに革命家に加わって、重要な役割を果たしていたかも知れない・・・。間違いなくそうだと言っていいくらいです」
「いったいどこで、どこで君はそんな考えを得たんでしょう! どんな愚か者と関わり合ったのですか?」 アリョーシャが叫んだ。
「とんでもありません、真実は隠せないんですよ。もちろん僕はあるきっかけで、ラキーチンさんとよく話しますが、でも・・・。この事は老ベリンスキーもやはり語っていたそうですし」

・ アリョーシャはコーリャの中学生らしからぬ政治的意見は誰かの受け売りだと考えています。“ 自分の言葉で語っていない ” のを見抜いているのです。ラキーチンはアリョーシャの友人ですが、考え方は随分違います。
“ もしキリストが現代に生きていたら ” という仮定はロシアの19世紀後半の時点での事ですが、社会変革の動きが当時既にあった事がうかがわれ、また、キリストがそれに身を投じただろうという考えも興味深いです。以前、イワンの創作劇 “ 大審問官 ” の中で、15世紀のスペインに現れたキリストが大審問官に捕われ対峙しています。作者はキリストその人に特別な思いを持っていた印象を受けます。