正確な報道に混じって2016-07-10

 ≪Газетное известие было весьма характерное и, конечно, должно было на неё очень щекотливо подействовать, но она, к своему счастью может быть, не способна была в сию минуту сосредоточиться на одном пункте, а потому чрез минуту могла забыть даже и о газете и прескочить совсем на другое. Про то же, что повсеместно по всей России уже прошла слава об ужасном процессе, Алёша знал давно и, боже, какие дикие известия и корреспонденции успел он прочесть за эти два месяца, среди других верных известий, о своём брате, о Карамазовых вообще и даже о себе самом.≫

<試訳> 新聞の報道は極めて際どいものだったので、疑いなく夫人に対して大いに体面を気にするように作用するはずだった。だがおそらくは幸いな事に、この時夫人は一つの関心事に集中できなかった。だから1分後には新聞についてさえ忘れてしまい、別の事柄にすっかり移る事ができたのだった。既にロシア中の至る所に恐ろしい裁判についての噂が広まっていた事を、アリョーシャは大分前から知っていたし、彼はこの2ヶ月の間に、兄や、カラマーゾフ家全般や、そして自分自身についてさえも、正確な報道に混じって、何と粗雑な情報や記事を読んだ事だろう。

・ 父と息子の財産争い、女性問題、そして父殺しを疑われる殺人事件、その裁判の行方と、世間の好奇心をかきたてる格好の材料が揃っています。プライバシーの保護という概念もない時代ですから、カラマーゾフ一家についての不正確な風聞が荒々しく流布していった状況が想像されます。

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