罪と罰・試訳　一線を越えた人間の苦悩と愛が、時空を越えて今日もここに響く…

　≪- Про кого ты говоришь... про Митю? - в недоумении спросил Алёша.
- Не про него, к чорту изверга! - исступлённо завопил Иван. - Разве ты знаешь, что он ко мне ходит? Как ты узнал, говори!
- Кто он? Я не знаю про кого ты говоришь, - пролепетал Алёша уже в испуге.
- Нет, ты знаешь... иначе как же бы ты... не может быть, чтобы ты не знал...≫

＜試訳＞　「一体誰の事を言っているんです… ミーチャの事？」 いぶかしそうにアリョーシャが尋ねた。
「あいつの事じゃない、あの悪党など失せやがれ！」 度を失ってイワンが怒鳴った。「あの男が僕の所によく来るのを、お前は知っているじゃないか？ どうして知ったんだ、教えろ！」
「あの男って、誰です？ 兄さんの言っているのが誰なのか分かりませんよ」 驚いたようにアリョーシャが言った。
「いや、お前は知っているんだ… そうでなけりゃ、なぜお前は… 知らないはずはない…」

・　冷静を欠いたイワンがアリョーシャを問い詰めます。アリョーシャが自分の内心の苦悩を見抜いたのは、その男に会ったからだと言うのですが、アリョーシャには全く覚えがないのです。謎の男はいずれ登場するのでしょう。