察すべきところだった2017-02-02

 ≪- Ну-с а я-то думал, что вы, обо всем догадамшись, скорее как можно уезжаете лишь от греха одного, чтобы только убежать куда-нибудь, себя спасая от страху-с.
- Ты думал, что всё такие же трусы как ты?
- Простите-с, подумал, что и вы как и я.
- Конечно, надо было догадаться, - волновался Иван, - да я и догадывался об чем-нибудь мерзком с твоей стороны...≫

<試訳> 「ですがね、私はこう思ったのでございますよ。あなた様は全てを察した上で、ただともかくできるだけ早くある厄介事から逃げ出すためにどこかへお発ちになられる、ご自身を恐ろしい事から守ろうとしておられると」
「誰もがお前みたいな、そんな臆病者だと思っているのか?」
「お許しを、あなた様も私と同様かと思いましたんで」
「もちろん、察すべきところだった」 イワンは興奮した。「確かに僕はお前の考える何やら卑劣な企みを察してはいたんだが…」

・ スメルジャコフの心理分析は、実際はイワンにとって耳が痛いところです。へり下っているようで、巧みに弱みをついているのです。

コメント

_ 慎之介 ― 2017-02-02 08:47

異母兄弟にも関わらず、お互いにそれを知っているにも関わらず、現代の私には理解できないものがあります。差別社会の普通のありようだったのでしょうが。内面での激しい戦いが今、読者には辛いものがあります。作者は、この二人の結末をどのようにするのでしょう。

_ mir→慎之介さん ― 2017-02-03 09:50

専制時代は身分の上下が人間の貴賤と見なされていたのでしょう。人間はそんな時代を経て、何とかここまで来たのかと思います。
カラマーゾフの兄弟達は若くして背負っているものが並ではなく、それぞれに葛藤に苦しんでいます。この二人にしても、会話の奥に憎しみながら通じ合うような奇妙さを感じます。心からの融和はなく、結局は大きな破たんに至るのではと思わずにはいられません。

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