供述しない方がいいぞ2017-02-11

≪- Во всем благодарен-с. Марфа Игнатьевна не забывает меня-с и во всем спосоствует, коли что мне надо, по прежней своей доброте. Ежедневно навещают добрые люди.
- До свидания. Я впрочем про то, что ты притвориться умеешь, не скажу... да и тебе советую не показывать, - проговорил вдруг почему-то Иван.
- Очень понимаю-с. А коли вы этого не покажёте, то и я-с всего нашего с вами разговору тогда у ворот не объявлю....≫

<試訳> 「何もかもありがとうございます。マルファさんが私に尽くしてくれてまして、以前親切にしてやったもんですからね、必要なら何でも助けてくれますんで」
「じゃあな。ところで、僕はお前が癲癇の仮病を演じられる事は言わないでおく… だから供述しない方がいいぞ」 なぜか急にイワンが言った。
「よく分かっております。あなた様がそのことを供述しないのでしたら、私もあの時門の傍で話した事について、全部は明かさない事にしますよ…」

・ 別れに際して面倒を避けるために、事実の一部を互いに供述しないと、かばい合うような関係になります。真実ならその必要はないはずです。イワンの微妙な心理が無意識に表れているのを感じます。

コメント

_ YS ― 2017-02-11 15:19

スメルジャコフの語尾に”-с”というのが付いているのは、スネギリョフがつい「ございます」を付けて話してしまうのですと語っていたものと同じですよね。ここではどのようなニュアンスなんでしょうか。慇懃無礼な感じがあったりするのか、それともスメルジャコフの召使の立場からしたらごく自然な言葉遣いでしょうか。”я-с”なんて付き方もするのは面白いです。

_ mir→YSさん ― 2017-02-12 07:20

ご指摘の通り彼は、 -с を語尾につけて話しています。兄弟や知人の間での会話にはつける事はありませんね。御者や使用人、それも男性の場合のようですから、目下の人が旦那様に向かって言う感じでへり下っているような語感があります。訳出が難しいところです。語調でニュアンスを伝えるようにしています。я-с は「私めは」 などという感じでしょうか。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
この小説が書かれた国の名をカタカナ3文字でご記入下さい。

コメント:

トラックバック