第三の方とは誰だ2017-05-09

 ≪Иван всё глядел на него, у него как бы отнялся язык.

"Ах поезал Ванька в Питер.
Я не буду его ждатью "

прозвенело вдруг в его голове.
- Знаешь что: я боюсь, что ты сон, что ты призрак предо мной сидишь? - пролепетал он.
- Никакого тут призрака нет-с, кроме нас обоих-с, да ещё некоторого третьего. Без сумлеия тут он теперь, третий этот, находится, между нами двумя.
- Кто он? Кто находится? Кто третий?≫ 

<試訳> イワンはずっとスメルジャコフを眺めていて、まるで口が利けなくなったようだった。

“ ああ、ワーニカはピーテルに行っちまった
わたしゃあの男を待ちゃしない ”

ふいに頭の中でこれが鳴り響いた。
「いいか、お前が夢じゃないか、僕の前に座っているのは幻ではないのか怖いんだ」 イワンがたどたどしく言った。
「ここには幻などいませんや、我々二人と、もう一人、ある第三の方の他にはね。疑いなくその方は今ここにいますよ、この第三の方がね、いるんですよ、我々二人の間に」
「誰なんだ? 誰がいるんだ? 第三の方とは誰だ?」

・ 奇妙な事をスメルジャコフが言い出します。イワンの動揺につけ込んでいるようです。スメルジャコフが “ 我々 ” と繰り返すのは、二人がもう共犯の関係にあるとの意識からでしょう。

コメント

_ 慎之介 ― 2017-05-09 08:56

日本語の忖度という言葉、便利な言葉だと思います。権力のある側はこれをうまく利用するために作ったような言葉、ロシアではそうはいかないようです。良心の問題が絡むと思いますが信仰心に大きく左右されるのでしょう。日本の権力側にはないものです。

_ mir→慎之介さん ― 2017-05-09 21:45

彼らの心の奥底には信仰の基盤があって、思考や感情や行動の価値判断は、それに強く影響されていると感じます。外部から責めらるよりも、自分自身の内心の葛藤で苦しんでいる印象が強いですね。神と良心の問題は、なかなか理解困難です。ご指摘に考えさせられました。

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