本を札束にかぶせた2017-05-17

 ≪И он опять кивнул на пачки. Он двинулся было встать кликнуть в дверь Марью Кондратьевну, чтобы та сделала и принесла лимонаду, но, отыскивая чем бы накрыть деньги, чтобы та не увилела их, вынул было сперва платок, но так как тот опять оказался совсем засморканным, то взял со стола ту единственную лежавшую на нём толсту жёлтую книгу, которую заметил войдя Иван, и придавил ею деньги.≫

<試訳> そう言ってスメルジャコフはまた札束を顎で示した。彼はマリアにレモネードを作って運ばせるために、立ち上がって戸口から声をあげようと動きかけて、彼女に金を見られないように隠すものを探し、まずハンカチを取り出そうとした。だが、それがまたすっかり鼻汁で汚れているのが分かると、テーブルの上から、イワンが入って来た時に目にした、あの一冊だけの分厚い黄色い本を手にとって札束にかぶせた。

・ スメルジャコフが病状のわりに積極的です。証拠を見せつけてイワンを驚かせたのが嬉しいようです。フョードルを殺害し、ドミートリィを冤罪に陥れ、イワンを共犯として苦しめる彼の行為は、カラマーゾフ家に怨念を晴らしているかのようにも感じます。

コメント

_ 慎之介 ― 2017-05-17 07:17

作者のことだから、怨念を晴らすためだけにスメルジャコフを登場させているわけではないのでしょうが、信仰心が絡んでいるので作者の冷徹さを感じます。

_ mir→慎之介さん ― 2017-05-17 21:24

信仰の問題は全編を通じて作者の大きなテーマで、いつも伏流水の様に流れています。この事件にしても、実際に関わったかどうかの法律上の罪とは別に、内心それを望んだかという信仰上の罪の意識が問われています。ドミートリィやイワンの苦悩の深さは、本当のところはなかなか実感し難いです。

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