気のせいに過ぎません2017-06-21

 ≪- На счёт этой двери и что Григормй Васильевич будто бы вилел, что она отперта, то это ему только так почудилось, - искривлённо усмехнулся Смердяков. - Ведь это, я вам скажу, не человек-с, а всё равно что упрямый мерин: и не видал, а почудилось ему что видел - вот его уж и не собьёте-с.≫

<試訳> 「この戸についてですが、グリゴーリィが開いていたと、さも見たように言っているのはですね、それは気のせいに過ぎませんよ」 表情を歪めてスメルジャコフがにやりとした。「なにしろはっきり申して、あいつは人間なんかじゃなくて頑固な去勢馬のようでしてね、見もしなかったのに見たような気がしただけで、そうなるともう頑として変えやしませんや」

・ スメルジャコフの考えには説得力があります。つまりグリゴーリィが走り去った人影が母屋から逃げ出て来たと思い込んだため戸が開いていたと錯覚して、そう見えた可能性はありそうです。当局の取り調べでは、そのあとのフョードルとスメルジャコフのやりとりの事実が全く抜けているので、このグリゴーリイの証言をもとに、ドミートリィが戸を開け放して逃げ、その時すでにフョードルは死んでいた事になっているのです。

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