そそのかしはしなかった2017-07-02

 ≪Бог видит (поднял Иван руку к верху) - может быть и я был виновен, может быть действительно я имел тайное желание, чтоб... умер отец, но клянусь тебе, я не столь был виновен, как ты дуамешь и, может быть, не подбивал тебя вовсе. Нет, нет, не подбивал! Но всё равно, я покажу на себя сам, завтра же, на суде, я решил! Я всё скажу, всё.≫

<試訳> 「神が見ている(イワンは片手を上に向けた)― もしかしたら僕にも罪があるかもな、父が死ぬのを… 密かに望んでいたかも知れないさ。だが、誓って言うが、お前が思っているほどには罪があるわけではない。それに、恐らくだが、お前をそそのかしたりなど一切しなかったはずだ。そう、そうなんだ、そそのかしはしなかった! だがどっちにせよ、自分については自ら証言する、明日こそ法廷で、僕は決心した! 全て話す、何もかもだ」

・ 全てを知ったイワンは、自分に言い聞かせるかのように、事実を明かす決意を語ります。スメルジャコフがそれを予想したかは分かりませんが、イワンの心の動きに敏感な彼が、その可能性を認識していなかったとは思われません。スメルジャコフが隠さず経緯を語ったのは、逃れ切る自信があるか、有罪を覚悟の上かでしょう。
神の存在に否定的な事を言っていたイワンが、ここで神を意識して罪を語るのが意外です。