ある人物が座っている2017-07-29

 ≪Итак, он сидел теперь, почти сознавая сам, что в бреду и, как уже и сказал я, упорно приглядывался к какому-то предмету у противоположной стены на диване. Там вдруг оказался сидящим некто, бог знает как вошедший, потому что его ещё не было в комнате, когда Иван Фёдорович, возвритясь от Смердякова, вступил в неё.≫

<試訳> そんな次第で、今イワンは譫妄に陥っているのをほぼ自覚して座っていた。そして既に述べたように、向かいの壁の傍のソファーの何らかの対象物にじっと目を凝らしていた。そこには突如としてある人物が座っているのだが、どうやって入って来たのかは知る由もない。なぜなら、イワンがスメルジャコフのもとから戻って部屋に入った時、その男はそこにいなかったのだから。

・ イワンが視線を向けていた場所に、奇妙な男がいます。これがイワンに見える幻影なのでしょう。疲労の極みで夢うつつの状態のせいもあるでしょう。かつてアリョーシャが、長老の死の直後の衝撃と疲労でまどろみながら、カナの婚礼でキリストや長老の姿を見る幻想的な場面がありました。それにしても、治療せずに放置しているイワンの病的な状況は心配です。