親し気にやって来る2017-11-24

 ≪Он ужасно глуп, Алёша, ужасно глуп, - засмелся вдруг Иван и принялся шагать по комнате.
- Кто глуп? Про кого ты говоришь, брат? - опять тоскливо спросил Алёша.
- Чорт! Он ко мне повадился. Два раза был, даже почти три. Он дразнил меня тем, будто я сержусь, что он просто чорт, а не сатана с опалёнными крыльями, в громе и блеске. Но он не сатана, это он лжёт. Он самозванец.≫

<試訳> 「あいつは馬鹿だよ、アリョーシャ、恐ろしく馬鹿なんだ」 ふいにイワンが笑い出して部屋を歩き出した。「誰が馬鹿なんです? 誰の事を言ってるんです兄さん?」 悲し気にアリョーシャがまた尋ねた。
「悪魔だよ!僕のところに親しげにやって来るのさ。2度も来た、3度と言えるぐらいさ。雷鳴と閃光の中で焦げついた翼のあるサタンじゃなくて、ただの悪魔なのを僕が怒っているようだ、なんてからかってたよ。だけどあいつはサタンじゃない、嘘をついてる。かたりさ」

・ イワンは悪魔の存在を本気で信じているようです。となると対概念としての神についての彼の考え方も微妙になるのではと思います。悪魔とサタンを “чорт(チョールト)”と“сатана(サタナ)” と使い分けていて、サタンは大悪魔、魔王と格上のニュアンスです。悪魔は、“Ах чорт!” 「 えい、畜生!」 など、慣用句にも登場するので、身近な存在のようです。