大地の母性の抱擁の中に2018-09-24

 ≪В нём, кажетя мне , как бы бессознательно, и так рано, выразилось то робкое отчаяние, с которым столь многие теперь в нашем бедном обществе, убоясь цинизма и разврата его и, ошибочно приписыавая всё зло европейскому просвещению, бросаются, как говорят они, к "родной почве", так сказать, в материнские объятия родной земли, как дети, напуганные призраками, и у иссохшей груди расслабленной матери жаждут хотя бы только спокойно заснуть и даже всю жизнь проспать, лищь бы не видеть их пугающих ужасов.≫

<試訳> 彼の心中には、おそらく無意識のうちに、かなり早くから臆病な絶望が現れていたように私には思われるのです。昨今、私達の貧しい社会にあって非常に多くの人達がこの臆病な絶望に捉われています。冷笑的態度や退廃を恐れながら、全ての悪を西欧の啓蒙思潮のせいだと誤解して、幻影に怯える子供のように、彼らが言うところの “ 生まれし大地 ”へと 、いわば生まれし大地の母性の抱擁の中に身を投じて、せめて弱々しく痩せこけた母の胸で安心して眠りたいと、恐ろしい惨事を目にせずに済むなら、だとえ一生でも眠りつづけたい、と渇望しているのです。

・ アリョーシャについて語り出したはずの検事が、希望をもてない世情について意見を展開し始めます。事件との直接の関連から離れて、自分の弁論に酔っているような感じです。時代状況は違っていますが、現代にも通じる当時の閉塞感が想像できます。

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