涙が出るほど可哀そうになった2019-03-05

 ≪Когда же мы ему сообщили, что Григорий видел отпертую дверь раньше своего падения, а выходя из своей спальни, слышал стонущего за перегородкой Смердякова - Карамазов был воистину раздавлен. Сотрудник мой, наш почтенный и остроумный Николай Парфенович, передавал мне потом, что в это мгновение ему стало его жалко до слёз. И вот в это-то мгновение, чтоб поправить дело, он и спешит нам сообщить об этой пресловутой ладонке: так и быть, дескать, услышьте эту повесть!≫

<試訳> 私共が被告に、グリゴーリィが倒れる前に開いた戸を見た事と、自分の寝室から出る時、間仕切りの後のスメルジャコフの呻き声を聞いた事を告げた時、カラマーゾフ被告はまさに打ちひしがれたのです。私の同僚の尊敬すべき俊才であるニコライ予審判事は、その瞬間に涙が出るほど被告がかわいそうになった、と後で私に話しました。そしてその瞬間なのですよ、事態を立て直そうと被告が例の胡散臭い御守り袋についてあわてて私共に告げたのは。つまり、それじゃ仕方がない、この話を聞いて下さい! というわけです。

・ ドミートリィが事実を語っても、ことごとく犯行の隠蔽のための言い逃れととられてしまったのです。科学的捜査方法が乏しく、人権を尊重する意識も低かった当時、彼と同じような思いで冤罪に苦しんだ人は多かったでしょう。それでも弁護士や陪審員のいる裁判制度があるだけまだましかも知れません。

コメント

_ 慎之介 ― 2019-03-05 17:14

茶番劇ですね。その頃の人々にとっては、娯楽と言っていいかも。一般的には富裕層の悲劇だから。現在、少しでも裁判制度が進展しているかと思いきや、やはり、冤罪はなくならないし、支配側に有利に進んでいる例はあります。

_ mir→慎之介さん ― 2019-03-06 09:56

現在でも、強者は訴訟資金、情報、人脈も豊富で、弱者は泣き寝入りせざるを得ない場合があるのが現実でしょうね。以前の権威的な司法のもとで裁かれた冤罪を晴らすためには、大変なエネルギーと支援がいるようです。

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