法廷中に響く声で慟哭2019-10-06

 ≪Он не договорил и зарыдал на всю залу, в голос, страшно, каким-то не своим, в новым, неожиданным каким-то голосом, который бог знает откуда вдруг у него явился. На хорах, наверху, в самом заднем углу раздался пронзительный женский вопль: это была Грушенька. Она умолила кого-то ещё давеча, и её вновь пропустили в залу ещё пред началом судебных прений. Митю увели.≫

<試訳> 彼は最後まで言い終えられず、法廷中に響く声で慟哭し出した。その声はふいにどこから現れたのか全く分からない、思いがけない、何かひどく別人のような新しい声だった。傍聴席の上方の一番隅に女性の嗚咽が聞こえた。グルーシェンカだった。彼女はもう先ほど誰かに懇願して、弁論の始まる前に再び廷内に入れてもらっていた。ミーチャが法廷から連れ出された。

・ 壮大な詩劇のような公判に幕が下ろされました。何と多くの事が語られ感情が交錯した事でしょう。ドミートリィはじめ、関わり合う人々の人生にはかり知れない影響を与えました。真実が必ずしも受け入れられない不条理と、人間存在の深淵を絶え間なく考えさせられました。

コメント

_ 慎之介 ― 2019-10-06 08:35

わずかな時間であったかもしれませんか、ドミートリィの言葉は心に深く浸みます。カテリィーナはどんな想いでこれを聞いたのでしょう。勝ち誇ったのでしょうか?こんな例は今の世にも数知れずあるでしょう。生命にかかわらない事でもです。現に日本は江戸時代?と思わせる官・民の構図が露見していますから。現代にもやはり捻じ曲げられる様相を呈しています。

_ mir→慎之介さん ― 2019-10-07 10:29

カテリーナの気持はこれからエピローグの中で語られます。裁判が終わってしまい、ついに事実が伝わらなかったのが残念です。ご指摘のように、過去から現在に至るまで、私達の知り得ないところで、どんなに多くの真実がこのように闇に隠され葬られ、それに関連した人達が生活や運命を変えられたかを思うとやりきれませんね。

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