運ぶ時間が来た2020-01-01

 ≪- Ничего не дам, а ей пуще не дам! Она его не любила. Она у него тогда пушечку отняла, а он ей по-да-рил, - вдруг в голос прорыдал штабс-капитан при воспоминании о том, как Илюша уступил тогда свою пушечку маме. Бедная помешанная так и залилась вся тихим плачем, закрыв лицо руками. Мальчики, видя наконец что отец не выпускает гроб от себя, а между тем пора нести, вдруг обступили гроб теснюю кучкой и стали его подымать.≫

<試訳> 「何一つやらん、母さんにはなおさらだ! 母さんは坊やを嫌っていた。あの時もあの子の大砲を横取りしたがって、あの子が母さんにくれたんだからな」 二等大尉はイリューシャが自分の大砲を母に譲った時の様子を思い出し、ふいに大声でむせび泣いた。哀れな気のふれた母も、顔を両手で覆ってしくしく泣きだした。少年達は、父親が棺を自分から放そうとしないのが分かったが、それでも運ぶ時間が来たので急に棺を取り囲んで持ち上げにかかった。

・ イリューシャを元気づけようと病床を見舞ったコーリャが、おもちゃの大砲を打って見せる場面がありました。母親がそれを欲しがって、結局イリューシャがくれてやります。父親はその時の息子の気持を思い、母を非難したのです。息子への強い哀惜が冷静さを失わせ、感情を露わにします。

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