花を何本か掴みとった2020-01-14

 ≪Когда же стали прощаться и накрывать гроб, он обхватил его руками, как бы не давая накрыть Илюшечку, и начал часто, жадно, не отрываясь целовать в уста своего мёртвого мальчика. Его наконец уговорили и уже свели было со ступеньки, но он вдруг стремительно протянул руку и захватил из гробика несколько цветков.≫

<試訳> 最後の別れをして棺が閉じられる段になった時、父親はイリューシャを隠させまいとするかのように両手で棺に抱きついて離れようとせずに、夢中で死んだ我が子の唇にしきりに口づけし始めた。やっと彼はなだめられたが、もう階段を下りかけた所で、突然手を伸ばして棺の中から花を何本か掴みとった。

・ 棺が閉じられるときの遺族の心情がスネギリョフを通して体現されます。逆に、率直な感情を押し殺して生活している私達の姿が背景に浮かぶようです。

コメント

_ 慎之介 ― 2020-01-14 09:11

花を掴み取った父親、その花をどうするつもり?もしや、母親に手渡すのでは?稀に小説に入る込んだりして終日おかしな気分でいることがあります。久しぶりにそんな状態です。

_ mir→慎之介さん ― 2020-01-15 10:15

その気分、分かります。買ってもらった本を即読み始め、食事中断ももどかしく続きを読み耽って夜更けに読了した昔を思い出しました。その間は外界はシャットアウト、読後も余韻が続いたものです。
真実を秘めた文学、そしてそれに感応する心あってこそだと思います。

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