イリューシャの小さな長靴2020-01-25

 ≪Но в это самое мгновение увидел он пред постелькой Илюши, в уголку, Илюшины сапожки, стояшие оба рядышком, только что прибранные хозяйкой квартиры, - старенькме, порыжевшие, заскорузлые сапожки, с заплатками. Увидав их, он поднял руки и так и бросился к ним, пал на колени, схватил один сапожок и, прильнув к нему губами, начал жадно целовать его выкрикивая: "Батюшка, Илюшечка, милый батюшка, ножки-то твои где?"≫

<試訳> だが、ちょうどその瞬間に、片隅にあるイリューシャの寝床の前に、家主の女主人が片付けたばかりのイリューシャの小さな長靴が、両方揃えて並べてあるのがスネギリョフの目に留まった。それは古びて赤茶けてごわごわになった、つぎはぎだらけの長靴だった。それを見ると彼は両手を上げ、そのまま駆け寄って膝まづくと、片方の長靴を抱えて唇を当て、“ 坊や、イリューシェチカ、かわいい坊や、お前の足はどこにある?” と大声で叫びながら夢中で口づけし始めるのだった。

・ イリューシャの形見の靴が父親の切ない心情をまたかきたてます。子供の養育を放棄したフョードルと、息子への愛情で我を失うほどのスネギリョフ、この二人の父親像が対照的に浮かび上がります。

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