きっと皆が出会って愉快に楽しく語り合う ( 最終回 )2020-02-18

 ≪- Непременно восстанем, непременно увидим и весело, радостно расскажем друг другу все, что было, - полусмеясь, полу в восторге ответил Алёша.
- Ах как это будет хорошо! - вырвалось у Коли.
- Ну а теперь кончим речи и пойдёмте на его поминки. Не смущайтесь, что блины будем есть. Это ведь старинное, вечное, и тут есть хорошее, - засмеялся Алёша. - Ну пойдёмте же! Вот мы теперь и идём рука в руку.
- И вечно так, всю жизнь рука в руку! Ура Карамазову! - ещё раз восторженно прокричал Коля, и ещё раз все мальчики подхватили его восклицание.≫

<試訳> 「必ず甦りますよ、きっと皆が出会ってお互いに愉快に楽しく語り合うのです、以前のようにね」 半ば微笑み、半ば歓喜に包まれながらアリョーシャは答えた。
「ああ、そうなれば何て素晴らしいだろう!」 コーリャから思わず言葉が発せられた。
「さあ、これで話は終わりにして、イリューシャの追善供養に行きましょう。ブリヌイを食べるのをためらう事はありませんよ。これは古来からずっと続く習慣で、それは良いところでもあるんですからね」 アリョーシャは笑い出した。「さあ、行きましょう! こうして、さあ腕を組んで行くんです」
「ずっとそうしよう、生涯腕を組んで! ウラー、カラマーゾフ!」 感極まってもう一度コーリャが大声を発し、彼の叫び声に少年達全員がもう一度唱和するのだった。

・ 宗教的な心情で再生と再会を信じ、人生を肯定的に生きていけるなら大きな意味があると思います。それを確信しているアリョーシャだからこそ言えるのです。
“ ウラー、カラマーゾフ ” はアリョーシャに向けて発せられたのですが、私にとっては、この物語を通してカラマーゾフ家の人々に生起した全ての事柄にこだまして、いつまでも響き続けるようです。
少年達が将来に希望を抱き、友情を誓い合う爽やかな印象を刻んで拙い訳を終えます。

約十年に亘った試訳が終わりました。この間に社会でも私事でも忘れられない大きな事も起こり、それが訳した時と箇所と重なって思い出されます。作品の深さはとても汲み尽くせませんが、翻訳に苦労した日々は感慨深いです。考えさせられる問題がとても多く、作者の偉大さを思い知らされました。ロシア語の持つニュアンスと日本語との違いなど、学んだ事は数知れません。ますますロシア語とロシア文学への魅力を深めています。
このブログをご覧いただいた方々、コメントや写真を寄せていただいた方々、励まし支えてくれた方々、ご協力いただいた全ての方々に心から感謝いたします。ありがとうございました。
明日からはチェーホフの短編の試訳を予定しています。引き続きご覧いただければ嬉しいです。