主役なのは明白だ ― 2020-11-21
≪Мало того, свою собственную казуистику выдумаем, у иезуитов научимся и на время, пожалуй, и себя самих успокоим, убедим себя, что так надо, действительно надо для доброй цели. Таковы-то мы и есть, и всё ясно как день. Ясно, что тут не кто иной, как Родион Романович Раскольников в ходу и на первом плане стоит.≫
<試訳> そればかりか、ジェズイット派さながらに、勝手な詭弁を創り出して、そうしなければならない、善き目的のためにはこうでなければならないと自分を納得させて、ひとときの間安らぎを得るんだ。僕達はこんな存在なのさ。何もかも火を見るより明らかだ。そこに他ならぬロジオン・ロマーノビッチ・ラスコーリニコフが登場して、しかも主役なのは明白だ。
・ 妹の自己犠牲を決意するに至った心情を一般化して論じています。これが芝居ならば主人公は自分で、最大の原因だと自嘲します。
ジェズイット派はイエズス会とも呼ばれるカトリックの男子修道会です。1534年にイグナチウス・ロヨラやフランシスコ・ザビエルによって創設されています。世界各地に布教し、ザビエルは日本に初めてキリスト教をもたらしました。他の会派との抗争や弾圧の歴史もあります。作者は作中で批判的に述べている場合が多いので、ロシア正教と相容れないところがあったのかも知れません。
コメント
_ 伯 ― 2020-11-21 13:14
日本の小説を思い出しました。息子の医学業のために母、妹、息子の新妻も一致団結し支援を続け結果は良でしたが、ラスコー君の場合はどうなるのでしょう。母も妹も成功を信じ自己犠牲を良しとしていく事をラスコー君は辛いですよね。
_ mir→伯さん ― 2020-11-22 10:50
まさにそうだと思います。将来を期待され、そのために犠牲になられては堪らないのです。彼の気持ちは理解できますね。他者の不幸によって得たものに幸福感はありません。
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