飛ばして行くだとよ2021-01-24

 ≪- Гнедой даве с Матвеем ушёл, - кричит он с телеги, - а кобыленка этта, братцы, только сердце моё надрывает: так бы, кажись, её и убил, даром хлеб ест. Говорю садись! Вскачь пущу! Вскачь пойдёт! - И он берет в руки кнут, с наслаждением готовясь сечь савраску. - Да садись, чего! - хохочут в толпе.
- Слышь, вскачь пойдёт!
- Она вскачь-то уж десятьлет, поди, не прыгала.≫

<試訳> 「栗毛の馬はついさっきマトベイが引いて行っちまったんだ」 馬車からミコーカが叫んだ。「この雌馬ときたらなあ、俺の胸をくさらせるばかりで、ぶち殺してやりてえくらいさ、ただ食いしやがって。乗れってんだよ! 飛ばしてやる! 飛んで行くぜ!」 そう言って彼は鞭を手に取ると、楽し気に馬を鞭を当てようと構えた。「いいから乗れよ、どうした!」 群衆の中からは高笑いがした。
「聞いたか、飛ばして行くだとよ!」
「この馬はもう10年この方、飛ばしたこたあねえぜ」

・ ミコーリカが大型の荷車に大勢を乗せて、貧相な馬に引かせようと息巻いています。酔って喚いたり歌ったりする人々の喧騒が聞こえてきます。
独白が続く箇所と、こういった群衆の場面の交錯するところは、オペラや協奏曲に似ている感じがします。

コメント

_ 伯 ― 2021-01-24 10:19

このように動物を扱う場面に出遭うと猿の惑星やガリバー旅行記のヤフーの場面を思い出します。かつては、人も野生で地球上では一番弱い無防備状態(鋭い爪、牙なし。たいして早く走る事もできず。)だったはずなのに、群れをつくり武器を作ってしまったのですよね。

_ mir→伯さん ― 2021-01-25 09:40

ご指摘に考えさせられます。気候変動、災害、原発事故、核兵器、感染症…、人類の欲望と奢りに起因する問題の多くが、まさに今、自らの存在を脅かすようになっています。武器を振りかざしている場合じゃないですよね。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
この小説が書かれた国の名をカタカナ3文字でご記入下さい。

コメント:

トラックバック