同じ考えが生まれたばかりの時に2021-03-18

 ≪Конечно, всё это были самые обыкновенные и самые частые, не раз уже слышанные им, в других только формах и на другие темы, молодые разговоры и мысли. Но почему именно теперь пришлось ему выслушать именно такой разговор и такие мысли, когда в собственной голове его только что зародились... такие же точно мысли?≫

<試訳> もちろん、これはどれも形式やテーマが異なるだけで、すでに何度となく耳にした事のある、青年達のごくありふれた話題や思想だった。だがまさに今、なぜよりによって、自分自身の頭の中に… そっくり同じ考えが生まれたばかりの時に、このような話題や思想を聞く事になったのだろう?

・ ラスコーリニコフが聞いたのは彼自身の考えそのものでした。学生は考えに止まっていましたが、彼はすでにその実行計画を練り一歩を踏み出しています。これまで遠回しに表現されていたのですが、彼が老婆の殺害を考えている事がここで明らかにされます。

コメント

_ 伯 ― 2021-03-18 09:28

老婆一人を消す事で社会の仕組みが変わる、正義だとラスコー君は本当に思ったのでしょうか?思索にも富む筈の若者なのに、、、、。
貧困とは酷いものと思います。しかし、そんな貧困の中からも生きるため家族を守るため四苦八苦しながら暮らした人々もいたから現在が有るような気がします。

_ mir→伯さん ― 2021-03-19 10:18

同感です。ラスコーリニコフの考えは全く肯定できませんし、その誤りは彼が身をもって示す事になりそうです。貧乏学生の極端な行動、悲惨なマルメラードフ家などの描写を通して、当時の貧困の問題を鋭く突きつけています。それは現在の状況にも響いています。貧困の中でも、愛情や善意や心の豊かさを失わずに営々と暮らしを紡いできたのが庶民の歴史の一面なのですね。

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