あなたは信じていらっしゃらないのでしょう2025-03-09

 ≪Соня всё колебалась. Сердце её стучало. Не смела как-то она ему читать. Почти с мучением смотрел он на "несчастную помешанную".
- Зачем вам? Ведь вы не веруете?.. - прошептала она тихо и как-то задыхаясь.
- Читай! Я так хочу! - настаивал он, - читала же Лизасете!≫

<試訳> ソーニャはまだためらっていた。心臓がドキドキしていた。なぜかラスコーリニコフに読んでやる勇気がなかった。彼は苦しいほどの思いで、“ 精神を病む不幸な女 ” を見つめていた。
「どうしてあなたに読むのです? だってあなたは信じていらっしゃらないのでしょう?」 彼女は妙に息を切らしながら小声で囁いた。
「読んでくれ! そうしてほしいんだよ!」 彼は言い張った。「リザベータには読んでやったじゃないか!」

・ 不信心のラスコーリニコフですが、 “ ラザロの復活 ” の場面を読んで欲しいと指定したのですから、内容を知っているはずです。リザベータの聖書のその部分をソーニャに読んでもらう事に、隠された意味を感じます。彼は彼女を精神を病んでいると思っていますが、むしろ悲しいほどまともで、むしろ彼の方が、これまでの精神状態や言行が普通ではありません。