結婚するつもりはなかったけれど2020-02-19

 ≪Антон Чехов О ЛЮБВИ

На другой день к завтраку подавали очень вкусные пирожки, раков и бараньи котлеты; и пока ели, приходил наверх повар Никанор спраситься, что гости желают к обеду. Это был человек среднего роста, с пухлым лицом и маленькими глазами, бритый, и казалось, что усы у него были не бриты, а выщипаны. Алёхин рассказал, что красивая Пелагея была влюблена в этого повара. Так как он был пьяница и буйного нравая, то она не хотела за него замуж, но соглашалась жить так.≫

<試訳> アントン・チェーホフ  『 恋について 』

次の日、朝食にとても美味しいピロシキとザリガニと羊のカツレツが出た。それを食べている間に料理人のニカノールが二階にやって来て、お客様は昼食に何をお望みですかと尋ねた。中背でふっくらした顔に小さな目の男で、髭は剃ってはいるが、その口髭は剃ったというより、むしり取ったように見えた。アリョーヒンは,、美しいペラゲーヤがこの料理人に惚れ込んだ事を話した。この男が飲ん兵衛だし気性が激しいので、彼女は結婚するつもりはなかったけれど、このように暮らすのには同意していた。

・ これまで10年越しで「カラマーゾフの兄弟」に取り組んできました。ドストエフスキー特有の重層的な物語の進行と情熱的な文体、人物の際立った個性、深く重いテーマに接する日々でした。今は永い航海を終えたような感じがしています。お付き合いいただいた皆さんに感謝します。静かな入江で小休止、また新たな気持ちでブログを続けますので、よろしくお願いします。
選んだのはチェーホフのこの恋物語です。場所はアリョーヒンの邸の二階、雨に降られて立寄った客人二人と食事しながら彼が語る “ 恋について ”。淡々とした独白が続く哀歓のある短編で、これまでと違った趣です。気分を変えてチェーホフの世界をお楽しみください。