やがて年月が経ったら2012-01-10

≪Ну вот что дивно: читал я тогда и книги и даже большим удовольствием; библию же одну никогда почти в то время не развёртывал, но никогда и не расставался с нею, а возил её повсюду с собой: воистину берёг эту книгу, сам того не ведая, "на день и час, на месяц и год".≫

<試訳> 不思議ですが、そんな当時にあっても私は大いに好んで読書していました。もっとも、聖書だけはその頃は開く事はなかったのですが、それでもそれを決して手離さずどこへでも持ち歩いていたのです。“そのうち、やがて年月が経ったら”と、まさしく気付かぬままにこの書を大事にしていたのです。

・ 意識せずに聖書だけは肌身離さなかったところに彼の真情が隠されています。人生は刻々の選択と決断だと思いますが、その瞬間にもその人の個性や感性が無意識のうちに影響します。それは生まれ持ったもの、幼い時に得たもの、そして教育や経験によって積み上げられたものでしょうが、彼の胸の奥底に潜んだものは、荒れた生活の中でも変わらずに保たれているようです。