同情などというものは禁止されている2020-06-06

≪Но господин Лебезятников, следящий за новыми мыслями, объяснял намедни, что сострадание в наше время даже наукой воспрещено и что так уже делается в Англии, где политическая экономия. Зачем же, спрошу я, он даст? И вот, зная вперёд, что не даст, вы всё-таки отправляетесь в путь и...
- Для чего же ходить? - прибавил Раскольников.≫

<試訳> しかし、新思潮を追っているレベジャートニコフ氏が、同情などというものは今日においては学問的にも禁止されていて、経済学の進んだイギリスでは、既にそのように実行されているのだと、つい先ごろ説明してくれましたよ。うかがいますがね、どうして彼が貸してなどくれますか? ところが、貸してくれないのを承知の上で、とにかく出かけて行くわけですよ、そして…」
「どうして行くんです?」 ラスコーリニコフが言葉を継いだ。

・ レベジャートニコフが何者か分かりませんが、妻を叩いたという人物ですからマルメラードフは反感を抱いているでしょう。それでも金を借りに行くと言うのです。金の工面の難しさは、カラマーゾフの兄弟の作中でもドミートリィが苦心惨憺しています。賭博にのめり込み、借金を重ねていた頃の作者自身の体験でもあります。

コメント

_ 伯 ― 2020-06-06 20:09

賭博にのめりこみ、借金を重ね、返す算段もなく借金を申し込む、のめりこんだ人じゃないとこの心境を理解できないでしょう。読者の多くはいらいらするでしょう。作者の体験からの表現なのですね。諦めて付き合うことにします。

_ mir→伯さん ― 2020-06-07 11:03

マルメラードフの金策は賭博が原因ではないのです。酔っていて話が回りくどいのですが、少しずつ事情が分かってきます。貧しさ、酒、家庭の崩壊が負の連鎖になるようです。自ら招いた状況とは言え、彼の苦悩の深さははかり知れません。作者はそれでもなお生きていく人間の有様を、ぎりぎりまで描こうとしているのではないかと感じます。

_ 伯 ― 2020-06-07 15:58

いつの世もどんな国の人でも酒で失敗する人はいます。貧しさ、家庭の崩壊、酒、自ら招いた状況からとは、、、、、、。マルメラードフが登場する理由はおいおいわかるのでしょうか?

_ mir→伯さん ― 2020-06-08 10:01

音楽で主旋律と伴奏の関係ではなく、それぞれが対等な重みで演奏されるポリフォニー ( 多声 ) の手法があります。作者の小説にはそれが見られるとした批評家がいます。なるほどと思い、ここではマルメラードフが主人公だと思って読んでいます。そう言う意味では、この部分だけでも一編の小説になるわけです。彼は社会から落伍し家庭を壊した自分を嘲りながら、その顛末を酔いに任せて話し続けます。私達はラスコーリニコフと一緒に、その悲惨な物語を聞かされます。しかも美しくもなく華やかでもないこの暗い地の底のような場所で。それがラスコーリニコフにも大きな意味を持ちます。作者は彼を通して落ちるところまで落ちた人間の状態、そして救いはあるかを考え尽くしたのではないでしょうか。これからもていねいにその経緯が描かれます。

_ 伯 ― 2020-06-08 13:33

mirさんの丁寧な説明に了解しました。それにしても、さまざまの事の現(日本)政府の説明はていねいではないしますます疑念を増やすものになっています。

_ mir→伯さん ― 2020-06-08 20:15

ありがとうございます。コメントをいただいて初めて気づいたり、再考したり、不明を調べる機会になっています。物語の進行を楽しみながら、理解を深めていきましょう。

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