母の筆跡2020-09-01

 ≪Когда Настасья вышла, он быстро поднёс его к губам и поцеловал; потом долго ещё вглядывался в почерк адреса, в знакомый и милый ему мелкий и косенький почерк его матери, учившей его когда-то читать и писать. Он медлил; он даже как будто боялся чего-то. Наконец распечатал: письмо было большое , плотное, в два лота; два большие почтовые листа были мелко-намелко исписаны.≫

<試訳> ナスターシャが出て行くと、彼は素早く手紙を唇に当て接吻した。そしてしばらくの間、宛名書きの筆跡を見つめていた。彼にとって親しみのある懐かしい、細かくて斜めにかしいだ、いつか読み書きを教えてくれた母の筆跡だった。彼はためらっていた。何かを怖れてでもいるようだった。やがてついに封を切った。手紙は大きくて厚く25gほどもあり、2枚の大きな便箋に細かくびっしりと書かれていた。

・ 母からの手紙を読む前からこみ上げる彼の感情が切ないほどです。“ いつか読み書きを教えてくれた… ” の表現は、同じような体験をしていなければ書けないでしょう。「カラマーゾフの兄弟」や 「未成年」 でも父親は異様なほど批判的な存在に描かれているのに対して、たとえばアリョーシャの亡き母に対する追想では神聖化されています。作者自身の体験との関連をどうしても感じてしまいます。

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