雛が卵の殻を突き破るように2021-03-02

 ≪Он решил отнесии колечко; разыскав старуху, с первого же взгляда, ещё ничего не зная о ней особенного, почувствовал к ней непреодолимое отвращение, взял у неё два "билетика" и по дороге зашёл в один плохонький трактиришка. Он спросил чаю, сел и крепко задумался. Странная мысль наклевывалась в его голове, как из яйца цыплёнок, и очень, очень занимала его.≫

<試訳> 彼は指輪を持って行こうと決めた。老婆の住まいを探り当て、まだ彼女についてはとりたてて何も知らないのに、一瞥しただけで抑えがたい嫌悪を感じた。2枚の “ 紙幣 ” を借りて、途中である小さな飲食店に立ち寄った。紅茶を注文して席につくと、ひどく考え込んだ。雛が卵の殻を突き破るように、奇妙な考えが彼の頭をつつき、その考えが彼をひどく捕らえたのだった。

・ 老婆に対する第一印象の後すぐに、ラスコーリニコフはある考えに憑りつかれたようです。“ 雛が孵る時のようにと ” いう語感から、以前から何か鬱積した考えがあったのを感じます。この時から心の安らぎが失われたのでしょう。
”紙幣 ”はルーブル札でしょう。当時は1ルーブルが2千数百円相当だったので、彼は妹からもらった指輪を抵当に約5千円ほどを借りたのです。現在は1ルーブル1.4円前後です。

コメント

_ 伯 ― 2021-03-02 09:30

紅茶はいかほどになるのでしょうか?現在1ルーブルが1.4円、イギリスのように貨幣の単位に変化はないのでしょうか?日本では株やさんが銭、厘などつかっているのをTVなどで見ます。子供の頃50銭札を祖母からもらいお菓子を買ったことがあります。

_ mir→伯さん ― 2021-03-03 10:56

当時の帝政ロシアの物価を調べてみましたが見出せませんでした。1ルーブルが約千円だった事、1ルーブル100コペイカから推論してみます。手掛かりは、ラスコーリニコフがこの街歩きに出てさまよった後、ポケットの金を数える場面に、“ … 30コペイカほどあった ” とあります。つまり持っていたのは300円ほどです。その後彼は料理屋でウオッカとピローグを注文したので、残ったのはほんの僅かなはずです。と言うわけで、紅茶は数十円ではないかと考えます。同じ部分で、“ 手紙の郵送料の立替分として3コペイカを小間使いに渡した” とあるのも参考になります。歴史に詳しいロシア人に確かめてみたいものです。

_ 伯 ― 2021-03-03 14:23

お手数かけ、ありがとうございました。都会での暮らしにはお金がかかるもので、ラスコーリニコフさんも大変です。

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