木綿地のゆったりした夏外套2021-03-30

 ≪Он полез подушку и отыскал в напиханном под неё бельё одну, совершенно развалившуюся, старую, немытую свою рубашку. Из лохмотьев её он выдрал тесьму, в вершок шириной и вершков в восемь длиной. Эту тесьму сложил он вдвое, снял с себя своё широкое, крепкое, из какай-то толстой бумажной материи летнее пальто (единственное его верхнее платье) и стал пришивать оба конца тесьмы под левую мышку изнутри.≫

<試訳> 彼は枕に手を突っ込んで、その下に押し込んだ下着の中から、すっかりぼろぼろになった古い汚れたシャツを一枚探し出した。そのぼろから幅4,5cm、長さ35cmほどの平紐を引き裂いた。彼はこの紐を二重に折り畳むと、大き目の丈夫な厚い木綿地のゆったりした夏外套を脱いだ ( コートは彼の一張羅だった )。そして紐の両端を左のわきの下に内側から縫い付け出した。

・ 彼は昨日センナヤ街で、突然好機の到来を知ったばかりです。以前から手順は練っていたけれども、実際に行動に移るまでの時間を眠って過ごしてしまいました。心の準備をする暇もなく焦燥と昂りのうちに取り掛かったのは、外套の内側に紐の輪を取り付ける事です。古着を破って紐にするなど、ずいぶん雑な感じです。

コメント

_ 伯 ― 2021-03-30 07:51

読みながら、その情景を描いているのですが、今のラスコー君のそれはなかなか描けません。部屋の様子さえわからなくなっています。入浴も出来ていないようで、相当汚れているように思えます。でも、何かに向かっていこうとしているのですよね。狂気?彼なりの理屈に合ったものなのでしょう。

_ mir→伯さん ― 2021-03-31 06:45

彼の部屋は “ 棺の中のような ” という形容がどこかにありますが、狭く陰鬱です。往来を歩いてきて、外套も脱がず着衣のままベッド代わりのソファに寝たりしている状態ですから、基本的な生活はできていないですね。
ずっととり憑かれていた想念が急に彼をせきたてています。彼自身は頭の中で筋道立っているつもりでも、社会的にはとても通用しないでしょう。

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