傷つけられた自尊心が黒い蛇となって ― 2025-09-27
≪Чёрный змей ужаленного самолюбия всю ночь сосал его сердце. Встав с постели, Пётр Пертоывич тотчас же посмотрелся в зеркало. Он опасался, не разлилась ли в нём за ночь жёлчь? Однако с этой стороны всё было покамест благополучно, и, посмотрев на свой благородный, белый и немного ожиревший в последнее время облик, Пётр Петрович даже на мгновение утешился, в полнейшем убеждении сыскать себе невесту где-нибудь в другом месте, да, пожалуй, ещё и почище;≫
<試訳> 傷つけられた自尊心が黒い蛇となって一晩中ルージンの心をしゃぶり続けた。ベッドから起き上がるとすぐ彼は鏡をのぞいた。胆汁が一晩で体中に溢れやしなかったか不安だった。しかし、その面では今のところ無事だった。そして、自分の白くて品のいい、近頃やや肉付きのよくなった顔立ちを眺めて、また何処かでもっと清純な花嫁を探せるとすっかり確信して、ちょっとの間、自分を慰めたほどだった。
・ 恐らくルージンは、今まで何でも思い通りに事を進めて成功してきたのでしょう。今回の結婚についてはそうはいかず、むしろ屈辱的な結果でした。ずっと低姿勢でルージンの指示に従ってきた母親のプリヘーリヤまでも、娘の相手に相応しくないと悟り、最後にきっぱりと結婚に反対を宣言したのでした。それでもルージンは、昨夜はまだやり返そうとしていました。今朝はさすがに諦めたようですが、全ての原因はラスコーリニコフにあると考えている彼が、今後何をするか分りません。
<試訳> 傷つけられた自尊心が黒い蛇となって一晩中ルージンの心をしゃぶり続けた。ベッドから起き上がるとすぐ彼は鏡をのぞいた。胆汁が一晩で体中に溢れやしなかったか不安だった。しかし、その面では今のところ無事だった。そして、自分の白くて品のいい、近頃やや肉付きのよくなった顔立ちを眺めて、また何処かでもっと清純な花嫁を探せるとすっかり確信して、ちょっとの間、自分を慰めたほどだった。
・ 恐らくルージンは、今まで何でも思い通りに事を進めて成功してきたのでしょう。今回の結婚についてはそうはいかず、むしろ屈辱的な結果でした。ずっと低姿勢でルージンの指示に従ってきた母親のプリヘーリヤまでも、娘の相手に相応しくないと悟り、最後にきっぱりと結婚に反対を宣言したのでした。それでもルージンは、昨夜はまだやり返そうとしていました。今朝はさすがに諦めたようですが、全ての原因はラスコーリニコフにあると考えている彼が、今後何をするか分りません。
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