誰もが親父の死を望んでいる2018-07-10

 ≪- Вы в уме или нет? - вырвалось невольно у председателя.
- То-то и есть, что в уме... и в подлом уме, в таком же как и вы, как и всё эти... р-рожи! - обернулся он вдруг на публику. - убили отца, а притворяются, что испугали, - проскрежетал он с яростным презрением. - Друг пред другом кривляются. Лгуны! Все желают смерти отца. Один гад съедает другую гадину... Не будь отцеубийства - все бы они рассердились и разошлись злые... Зрелищ!≫

<試訳> 「正気なんですか、あなたは?」 裁判長が思わず口走った。
「正気そのものですよ… しかも卑劣にも正気でしてね、あなた方と同じくらい、そしてここにいる全員… 醜い面々とご同様!」 彼は突然傍聴者を振り返った。「皆が親父を殺したんだ、それなのに驚くふりをしていやがる」 彼は極度の軽蔑を込めて歯ぎしりして言った。「お互い同士が気取り合っている。嘘つきめ! 誰もが親父の死を望んでいる。毒蛇が別の毒蛇を食うのさ…親父殺しがなかったら、あいつらは皆怒り出し、腹を立てて家に帰るだろう…。見世物だ! 」

・ イワンが傍聴者に向かって悪罵を投げつけ始めます。常軌を逸した口調は、昨夜来幻覚の紳士と対峙していた時のようで、彼の変調は明らかです。
“ 父殺し ” をテーマにした文学はギリシャ悲劇やハムレット(義父)にも見られます。現実には “ 死を望む ” のは極端ですが、息子がある年齢に達して父親と張り合うようになり、葛藤や相克を抱えながら、乗り越えていくのを象徴的に表しているとも取れます。また、当時、専制ロシアで、民衆の “ 父 ” である皇帝の暗殺計画が繰り返されていた事の隠喩との指摘もあります。