見え透いているんだから2020-11-01

≪"Потому что это дело очевидное, - бормотал он про себя, ухмыляясь и злобно торжествуя заранее успех своего решеня. - Нет, мамаша, нет, Дуня, не обмануть меня вам!.. И ещё извиняются, что моего совета не попросили и без меня дело решили! Ещё бы! Думают, что теперь уж и разорвать нельзя; а посмотрим, льзя или нельзя!≫                                                                                    <試訳> “ だってこの事は見え透いているんだからな ” 彼は薄笑いを浮かべ、自分の決心の成功を今から勝ち誇って毒々しくつぶやいた。“ 駄目ですよお母さん、駄目だよドゥーニャ、あなた方にこの僕を騙せやしない!… それでいて僕に相談しないで、僕抜きで事を決めたのを謝っているんだからな! とんでもないよ! 今はもう破談にできないと思っているだろうけど、できるかどうか見てみようじゃないか!                                                                     ・ ラスコーリニコフは、婚約の経緯やルージンの人柄などへの疑念から事の本質を見抜いて結論を導きます。妹の幸せのために、結婚に反対し破談にしたいと考えるのです。

コメント

_ OB ― 2020-11-01 22:35

この結婚話は、両者ともに利害の絡んだ取引のていである。
娘が家族の為に犠牲になるのは、よくある話だ。  しかし、
母親が得に目がくらんで、娘の先行きを案じて止めないのは・・・
・・・まあこれも、ありそうな話か。
また、それを手紙で知っただけで妹に胸の内を聞きもしないで、
「破談にしてやる」と息まく兄は横暴ではないか。
こうして読者は、本気で心配したり異議を唱えたりする。
まったく、作者は容赦なしですね。

_ mir→OBさん ― 2020-11-01 23:14

本人の気持ちや事情を直接聞かずに判断を下してしまうのは慎重さに欠けますが、それがラスコーリニコフの性格で、この先も心配なところです。一方で、母の手紙の言葉の端々に引っかかりを感じ、その奥に隠れている事実を鋭く見抜く敏感さがあります。妹を不幸にしたくないと思うあまり、利害の取引を断固否定する兄の心情は分かる気がするのです。父親がいれば随分違ったでしょう。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
この小説が書かれた国の名をカタカナ3文字でご記入下さい。

コメント:

トラックバック